最新トピック

ホームへHome > 最新トピック > 『東日本大震災における原子力災害と昆布摂取による予防に関する見解』

トピック

『東日本大震災における原子力災害と昆布摂取による予防に関する見解』

この度は東日本大震災で被災された皆様方に心よりお見舞いを申し上げます。

東日本大震災に伴う福島第一原発事故による放射能汚染が、大変な問題になっています。
このような中で、「昆布からヨウ素を摂取することで放射性物質による内部被ばくを予防することができる」、「昆布にはそのような効果はない」などの情報がインターネットや口コミで広がっています。

乾燥昆布には、1グラム当たり1~4 mg程度のヨウ素が含まれています。昆布などの食品から摂取したヨウ素は、胃と小腸でほぼ完全に吸収され、そのほとんどは甲状腺に取り込まれ、甲状腺ホルモンであるチロキシンやトリヨードチロニンの構成成分になります。残ったヨウ素の大部分は尿中、一部は糞便中に排出されます。ヨウ素は成人の体内で約13 mg存在し、そのほとんど(12 mg)が甲状腺にあるといわれています。

一方、もしも、放射性ヨウ素(ヨウ素131)に高濃度で長期間被曝した場合、甲状腺に蓄積した放射性ヨウ素が、甲状腺がんを引き起こす可能性があると言われています。

日頃から昆布食品を食べて放射性のないヨウ素で甲状腺を満たしておくと、被曝しても放射性ヨウ素が甲状腺に蓄積しにくくなると考えられます。この理屈は、原発事故が発生した時に服用されるヨウ素剤と同じものです。
実際に1958年に発表された論文によると、ヒトにおいて一定の放射性ヨウ素を体内に取り入れた場合、あらかじめとろろ昆布を食べていると、甲状腺の放射線量が減少したという報告があります。

しかし、昆布は食品の中ではヨウ素の量が非常に高いとはいえ、ヨウ素剤を服用した場合のように、短時間で大量のヨウ素を取り込むことは難しいことです。また、摂取する昆布の種類や加工状態によっても、含まれるヨウ素の量は一定ではありません。
従って、実際に被曝した時、あるいは被曝の可能性がある場合の対策として昆布を大量に摂取することは正しい対応とは言えません。

昆布は、その味はもちろんのこと、アミノ酸、ミネラル、食物繊維、カロテノイドなど栄養機能成分にも富んだ、日本人が古くから食べ続けてきた健康食品です。普段から適量を摂取していただくことをお勧めいたします。

昆布の栄養機能研究会 会長 矢澤 一良

このページのトップへ戻る