昆布の成分と健康機能

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多糖類

粘質多糖類

昆布断面イメージ

昆布を包丁で切ると、切断面からゼリー状のぬめり成分が出てきます。これは細胞間に充填する粘質多糖類によるもので、海藻の種類によって異なります。昆布にはアルギン酸やフコイダンなど、海藻にしか存在しない特有の多糖類が含まれており、幅広い利用用途があります。

アルギン酸

昆布のアルギン酸含有量(乾物に対する%)
種類 産地 アルギン酸(%)
マコンブ (函館) 17.05~22.54
利尻コンブ (利尻) 25.43
利尻コンブ (元泊) 22.00
トロロコンブ (根室) 30.17

酸性の多糖類でマンヌロン酸(M)、グルロン酸(G)と呼ばれる2種類のウロン酸によって構成されています。アルギン酸はこのMとGが結合する比率によって固さや弾力性が大きく変化するので、プリンやゼリー、アイスクリーム、ジャムなどの材料として、またヨーグルトやチーズなどの乳化目的、その他、人工イクラなど、様々な用途に使われています。

昆布の中ではカルシウムやマグネシウムなどと結合して、緩やかなゼリー状態で存在しています。

アルギン酸の生理作用

血圧を下げる
食塩の摂り過ぎは血中のナトリウムイオンとカリウムイオンのバランスを崩し、血管を収縮させることで血圧の上昇を引き起こします。
特に、アルギン酸の中でもカリウムと結合した「アルギン酸カリウム」を食物と一緒に体の中に取り込んだ場合、アルギン酸は胃酸によってカリウムを分離します。その後、腸に移って、一緒に摂取した食物に含まれるナトリウムイオンと結合して体外に運び出してくれます。一方で、アルギン酸から離れたカリウムは、カリウムイオンとなって腸から吸収され、血中のナトリウムを追い出す働きがあります。このように二重の働きで血圧を下げる働きを持つアルギン酸もあります。
消化酵素の働きを活発に
アルギン酸ナトリウムを食物と一緒に摂取すると、消化酵素である腸内のアミラーゼやプロテアーゼの働きを高めることで消化を促進させる作用があります。
有害物質の除去
有害物質や汚染物質が体内に蓄積すると、様々な異常や疾病を引き起こします。
放射性ストロンチウムで汚染された実験動物にアルギン酸を与えた実験では、その放射性元素を体外に排泄する働きを持つことが報告されています。

(Hasp, R and Ramsbottom, B: Nature, 1341-1342(1965))

フコイダン

L-フコースイメージ

コンブ、ワカメ、モズクなど褐藻類に多く含まれていますが、ナマコなどの動物からも見つかっています。 L-フコースという糖が数十~数十万個も網目のようにつながった化合物で、平均分子量は約20,000です。構造の違いによって、グルクロン酸を含む U-フコイダン、硫酸化フコースのみで構成される F-フコイダン、ガラクトースを含む G-フコイダンなどに分けられます。また、構造や結合している硫酸基の数によって、生理活性が異なるといわれています。

フコイダンの量は海藻の種類や採取時期によって異なりますが、ある昆布では秋から初冬にかけて乾物重量の約20%を占めると言われています。フコイダンの役割は、昆布の表面がキズついたときに傷口から細菌が進入しないように守ったり、潮が引いたときに空気中にさらされた昆布が乾かないように保護する働きがあるのではないかと考えられています。

フコイダンの生理作用

血栓の予防
血液凝固抑制薬として知られている「ヘパリン」は、その構造の一部である「硫酸基」が関係して作用すると考えられています。フコイダンはヘパリンと同等以上の効果があるといわれ、特に硫酸基の多い海藻のフコイダンはより強い作用を持つことがわかっています。
ガンの予防
免疫細胞の活性を強めてがん細胞を死滅させたり、がん細胞を自殺に追い込む作用(アポトーシス)や、がん細胞の(成長の)ために新しい血管が作られるのを抑制する働きがあります。

このほか、コレステロール低下作用をはじめ、血圧低下作用、抗ウイルス作用、アトピー性皮膚炎やⅠ型アレルギーの抑制作用などが動物実験や細胞試験レベルで証明されています。

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