昆布の成分と健康機能

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昆布にまつわる栄養機能のおはなし

日本の伝統食品「とろろ昆布」に関する研究(1)

とろろ昆布の細胞組織の特徴成分の溶出性

日本の伝統食品のひとつである「とろろ昆布」は,その加工方法の特徴として,煮炊きせず、昆布本来の栄養がほぼそのまま維持されていること,また、昆布の細胞の大きさよりも薄く削られていることがあげられます。
昆布を薄く削ることによってどのような利点があるのか、科学的に調べてみました。

まず電子顕微鏡を使ってとろろ昆布の断面を観察しました。

電子顕微鏡観察イメージ

昆布組織の切削と成分溶出イメージ

この写真から,とろろ昆布の原料昆布の細胞の大きさが0.01~0.1mmであることがわかりました。
また,左上には切削したとろろ昆布の側面が写っていますが、切削の厚さが約0.02mmであることがわかりました。このことから、とろろ昆布は藻体を構成する細胞1個の大きさよりも薄く切削されており、昆布の細胞のほとんどが輪切りの状態にスライスされていることが分かりました。

つぎに、人工消化液試験により,昆布に含まれる成分の溶出量を調べました。

ミネラル溶出量表イメージ

カルシウム溶出量グラフイメージ

その結果、昆布原料(切削前)と比べてとろろ昆布に加工(切削後)すると、ミネラルや多糖類などの溶出量が多くなりました。また昆布を異なるサイズで細かくした場合のミネラルの溶出量を調べたところ、昆布のサイズ(切削の幅)が小さくなるにつれてその溶出量は増えていきましたが、細胞のサイズより小さくなるとそれ以上増えないこともわかりました。

とろろ昆布は加工特性により優れた成分溶出性をもつこと、さらに体内での機能性成分の溶出性に優れています。このことから、昆布で報告されている生理活性は、とろろ昆布の状態で食べた場合、さらに効率良く機能する可能性が考えられます。

次回は、実際にとろろ昆布を食べた場合の健康効果についてお話します。お楽しみに!

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