昆布の成分と健康機能

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昆布にまつわる栄養機能のおはなし

昆布の加工によるフコキサンチン含有量の変化

昆布は、海藻の中でも「褐藻類」と呼ばれる仲間に分類されます。

フコキサンチンは昆布やヒジキ、ワカメといった褐藻類のみに含まれる色素成分(カロテノイド)のひとつで、濃いオレンジ色をしています。これまでに脂肪を燃焼させる抗肥満作用をはじめとして、抗酸化、抗腫瘍効果など様々な生理機能が報告されています。

フコキサンチン=褐藻類のみに含まれる色素

一方、フコキサンチンは熱や光、酸素などに対して不安定であるといわれていますので、昆布が私たちの口に入るまでに受ける加工の種類や程度により、フコキサンチンの量は変化する可能性があります。そこで、収穫後直ちに冷凍処理した生の昆布を実験材料として、種々の加工による影響を調べました。

乾燥条件によるフコキサンチン残存率の差

水揚げされた生の昆布は天日乾燥や機械による加熱乾燥により、私たちがよく目にする乾燥昆布として流通されますが、その処理条件によるフコキサンチン含量の変化を比較しました。

試料中のフコキサンチン含量を比較した結果、乾燥処理によってフコキサンチンの含有量が減少することが分かりました。天日乾燥した場合や、60℃以下の機械乾燥では減少の程度は比較的軽度ですが、75℃を超える高温で乾燥させると著しく減少しました。

さらに、昆布を一般的な方法で佃煮に加工した場合の、フコキサンチン残存量の変化を調べたところ、加熱調理によりフコキサンチンが減少することが分かりました。

佃煮加工後のフコキサンチン量の比較

生昆布は乾燥処理昆布に比べて軟化しやすく、煮熟時間が短くてもおいしい佃煮になる特徴があります。そのため、加工時の熱によるフコキサンチンの減少を抑えられますので、生昆布を佃煮製品とした場合のフコキサンチン残存量は比較的多くなると考えられます。

これまで冷凍処理した昆布(生昆布)は昆布に含まれる成分を保持しやすく、加工した場合、従来の乾燥昆布とは異なる新しい食感や、照りの良い外観などの特徴が付加されることが分かっていました。
(詳しくは昆布にまつわる栄養機能のお話「生昆布原料を使った佃煮の加工特性」をご覧ください)

今回の実験では、フコキサンチン残存量が多いという新たな特徴が確認されました。乾燥昆布と生昆布それぞれの利点を活かして、昆布の活用がより幅広く展開されることが期待されます。

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